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マレーネ・デュマのコメント

2011年6月25日


これは、先週の土曜、オランダの新聞NRC Handelsbladにのった、マレーネ・デュマのコメントです。

コメントの前に、補足説明(***)

***オランダでは昨年政権交代がありました。現行政府(反イスラム自由党PVV、キリスト民主アピールCDA, 自民党VVDの連立政権。リーダーの反イスラムPVV党首Geert Wijlderは、街を歩けばナチ!と言われ何か投げられる。)は今年から、オランダの文化予算全体を40パーセントカットするとしていました。
この大きい数字に誰もが驚き、その決断の早さにも怒っていました。

そしてその詳しい内訳が先週発表されてみると、さらにみなビックリ仰天したなんてもんではありませんでした。
間違いなくオランダが誇っていい、ビジュアルアートのインスティテュートはほぼ壊滅的に政府の援助が2013年をもって打ち切り、の打撃にあうことになります。
アーティスト、インスティテュートの数が多すぎる、というんだそうです。

De Appel(デ・アペル)、Witte de With(ヴィッテ・デ・ヴィス) SKOR(スコール)、 Manifesta Foundation(マニフェスタ・ファウンデーション)Jan van Eyck Academie(ヤン・ファン・エイク・アカデミー)、 De Ateliers(デ・アトリエーズ)、 Rijksakademie(ライクスアカデミー)も例外ではなく、その他まだまだたくさん。

そして反対運動は火がつき、来週月曜の議会にむけて今週末さまざまのアクション、デモンストレーションがおこなわれます。
木曜はStedelijk Museumのカフェで、パネリストを迎えての市民討論。
金曜は世界各地のアート・ロケーションからの自主的参加を募るART BOMB。
日曜はロッテルダムで大きな集会があり、その後ロッテルダムからデン・ハーグまで夜通し歩くデモ行進(Mars der beschaving )が出発して
来る月曜にはデン・ハーグBinnenhof(国会議事堂)前に到着。その横にある大きな広場Malieveldで大きなsave the culture!デモがあります。

いつも大した用事もない私の受信トレイも、膨大な量の反対運動インフォが送られてきています。

そんなこんなでマレーネ・デュマのコメントです。わたしのこなれない日本語にだまされず、彼女の言いたいことを読んでほしい。原文が気になる方は出典のEndless Lowlandsヘ(オランダ語です)。***


http://www.endlesslowlands.nl/?p=3777


マレーネ・デュマ:

その問いは、「私たち(注;オランダ社会の構成員)は今何をすべきか」ではなく、「私たちは経済の中の何を原因とみるか」とするべきです。
アートに対する懐疑と見くだしが、金融危機の本質的な原因を忘れ去るためのスケープゴートをみつけたというように見えます。
私たちが危機に陥ったのは、アーティストやインスティテュート(研究機関)が多すぎたからではなく、経済部門が多くのリスクとともに他から借金したからです。

 私はアートをサポートします、それは権利や特権としてではありません。望むべくは、直接おもてだって現れないものの質を正しく評価できる共同体です。効率化から成る考察は、健全な文化の発展を破滅におとしめます。それは無知で利潤だけを見る、貧しい改良です。私たちの民主主義は、一般的でないビジネスを守るようにつくられています。

 アートの価値は、経済的なものさしだけで測れるものではありません。でも今それが起こっています。もしアートにおいてマーケットだけが重要なら、その素晴らしさも堕ち私は深く悲しむでしょう。
高名な研究機関を保護するのは、小さな、個人の出資によるインスティテュートや実験的なインスティテュートを保護するよりも楽です。だからこそ政治は真に革新的な研究機関を守らなくてはいけないのです。

 私自身のことを言えば、南アフリカで美術学部を卒業したあと、独創的なインスティテュートであるデ・アトリエーズ(注;アムステルダムにあるアーティスト・イン・レジデンス)に選ばれました。そこで当時、私は多様な視点をもった、重要なアーティストたちと対峙しました。それによって私はひとりのアーティストとなる機会をを得ました。だから私はどの若い才能たちにもこの訓練をおこないます。だから私はデ・アトリエーズと関連しつづけることに情熱を持っています。

 とはいえ、私は直接の助成を楽しんではいせん。私は、現在の私の立場がそういったものによってできていることはわかっています、国内外の美術館で私の展覧会が開かれれば、政府支援のものがあることも含めて。この効率化政策は私に、直接経済的にも、感情的にも大きく作用します。それはオランダの納税者が、大勢の若者の文化的活動を縮小しようとしていることと同じだからです。

 私はすべてのアートワールドについて話しているわけではありません。答えはその問いにもよります。アーティストは自問するものです。
 もし、誰しもがあなたのことを好きで、あなたについて支払ってくれたらそれはいいでしょうね。でも、問題の日は、いつも存続のためだけにあるわけではないことは歴史が知っている、なんてこと、誰にわかるのでしょうか。

 アートは想像力です。これは挑戦と失敗による、実験と革新のプロセスということを意味します。なぜならアートは、返答の難しい、とても異なるボギャブラリーの考え方で、リアリティーを積み重ねるということに関係するからです。それに、私たちに伝えたいことがあっても、その言葉がメディアで発表されることはあまりないのです。

私は建設的な答えを求め続けます、私が維持したいと願う政府が解体するまでの間。

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by arttrace | 2011-06-26 19:48 | ART TRACE