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OA17

OA17

そういえば隙をみてOA紹介もしていきます。今日は昨年ルームメイトだった超ロマンチスト、アメリカ人のRyan。彼は今でも時々現れては面白いエピソードを必ず残していってくれます。彼の過剰ともいえる美意識がつくりだすスカルプチャーやインスタレーションは、すごいと同時に、何か面白いと思ってしまうかんじがあります。
OA17, Ryan Parteka
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全部塩でできてる椅子。足のところは月なんだそうです。どこでもない場所をつくりたいライアンにとって月は大切なモチーフです。
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ムーンチェアを横から見たところ。まわりの柵は時計の針だったんだそうです。Ansya Blom(アドヴァイザー)は部屋に入った途端、「これは電気椅子だ」と言ったそうです(ライアン談)。
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壁には砂時計みたいな形をした針?がついてる時計が、時計まわりには動かず逆に動いたり止まったりしている。
# by arttrace | 2006-03-24 07:41 | ART TRACE

ローマ旅行

レジデンス1年2ヶ月と10日目

ただいま。ローマ旅行から帰ってきました。
この旅行はレジデントアーティストの中から5名、アムステル大のローマ史の教授のガイド(ときには西洋美術史家の、または各作家の研究家の、ときには考古学者のガイドで)でみっちり2週間、ローマを内から外からみてまわるという、ライクスプレゼンツ・過密スケジュールの旅行でした。

朝早くから夜遅くまでいろいろと見て聞いて話した2週間、何ともハードでしたがローマは自分で選んでは行きそうもないし、ガイド付きで行けてよかったです。でなければローマほどのたくさんのレイヤーと、その構造である政治と、そこにできる影を濃く染み込ませた都市を2週間、私ひとりで歩いてもどうにもならなかったと思います。7年前、初めてきた時は通りすがりでしたが「ローマは長い間、あるレベルでの中心だったのだ」と思いました。

おりしもイタリアでは4月初旬が選挙だそうで、町中にたくさんの選挙ポスターが貼られ、その横では桜とミモザが同時に咲き、その中を観光客やローマっ子の間を縫って、時にはベルニーニやカラヴァッジオ等のマスターピースひしめく美術館や教会へ、ときにはミケランジェロのつくった広場へ、ときにはムッソリーニの作った広場へと足を運んでいくという濃〜いお腹いっぱいの2週間でした。こんなにちゃんとした西洋料理を食べ続けては暮らせないわ。だからって和食が食べたいわけでもなくて、もっといい加減なものが食べたい。

私はミスで写真をほとんどなくしてしまったのですが少しはアップできると思います。詳細はぼちぼちで。
# by arttrace | 2006-03-24 02:52 | ART TRACE

カラヴァッジオ&レンブラント展

レジデンス1年1ヶ月と23日目

先週からアムスのヴァン・ゴッホ美術館でカラヴァッジオ&レンブラント展をやっています。両者の作品が交互に並べてあって、20点ぐらいずつ見ることができます。町の話題をさらっているこの展覧会、私は今日行ってきました。
「両者ともイコニックなモティーフを強い陰影で描き劇場的な効果を出すことから、レンブラントは「北のカラヴァッジオ」、カラヴァッジオは「南のレンブラント」と呼ばれている(本当?会場にあった解説より)」ことによる今回のコラボ展示だそうです。

  両者の作品の併置は賛否両論ですが、絵画としてまずグラフィックな強さのあるカラヴァッジオと、モチーフがもつ何か不確かなもの(老いとか空間そのものとか、時間そのものみたいなもの)へと絵の具を置こうとしているように見えるレンブラントの絵の併置は、「画家は何に対して絵の具を置いているのか」ということを考えさせられるよい機会でした。

  面白かった併置をいくつか。この併置では、レンブラントとカラヴァッジオの特徴が、それぞれの手法を保ったままそっくり入れ替わったような感があり興味深いです。

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あと私が好きな併置はこれ。






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# by arttrace | 2006-03-07 04:12 | ART TRACE

Iwan van't spijker

レジデンス1年1ヶ月と22日目

今週末は友達のオープニングが集中してありました。昨日は Iwanのソロショーのオープニング、場所はAschenbach & Hofland galleries (Amsterdam)。まったく飲み過ぎで頭が痛いです。

Iwanの絵は、いつ見ても、会えて良かったと思わせてくれる、私のような者にとって大事なペインターです。
http://www.artpointer.com/xs2art/


三次会で行ったアムスのゲイバーで「ここにいる人全員Brokeback mountain見たのかなー」とか思っていました(まだ引きずってる、悔しくて・・)。ゲイバーで飛び交う視線って普通のクラブでみるの男女間の視線の動きと全く違う。開けっぴろげでなんか楽しいとこだなーとおもいました。モーリちゃんは帰りに危ない目に遭ってました。
# by arttrace | 2006-03-06 02:26 | ART TRACE | Comments(1)

Brokeback mountain未遂

レジデンス1年1ヶ月と20日目

先日モーリちゃん(元ギャラリスト)とひさしぶりに会って遊びました。彼は元気でした。ギャラリストをやめてから酒を飲む量が減り、健全な生活をするようになって7キロ痩せたと喜んでました。新しい仕事は忙しそう。
そのときモーリちゃんに強〜く薦められて「Brokeback mountain」という映画をみました。時は60年代アメリカ、ワイオミングの大自然を舞台に物語が始まる、カウボーイのゲイカップルの話、だそうで、アメリカ版「弥次喜多(しりあがり寿さんのマンガ)」だろうかと思い、面白そうだと思ってでかけました。

し、か〜、し、映画が始まり、手強いワイオミング訛りの英語にあい台詞はほとんど聞き取れず(字幕はオランダ語)、映像だけみていたところ弥次喜多というよりはロミオとジュリエットみたいな伝統的な立場と感情のもつれなかんじ、切ないラブストーーリーということだけ見てとれました。

映像だけでも切なかったなあと思ってたけど、あとでモーリちゃんに詳細を聞いてみたら、大事なディテールを結構逃していて「そ、そうだったのか」と思うことしきり。つまり私は、ここに書く必要もないくらい宙ぶらりんなBrokeback mountain体験だったわけですけど、日本ではもうすぐ封切りだそうでぜひ見てみてください。(TVでやったらぜひとっといて。あと「白夜行」っていうTVドラマが見たい。)
# by arttrace | 2006-03-03 00:32 | ART TRACE | Comments(0)

プロジェクトルームおわり

レジデンス1年1ヶ月と7日目

今日でプロジェクトルームの使用期間が終わりました。これから片付けです。小柄な女性にはこれがきついわ。日本ではそれほどスモールでもそれほどガールでもないけど、こっちではわたしは「スモールガール」という位置づけになる。

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ドローイング。ボトム
# by arttrace | 2006-02-21 04:42 | ART TRACE

オランダ旅行

レジデンス1年1ヶ月と6日目

帰ってきました、オランダ旅行から。今年はオランダ国内のみならず、ドイツはエッセンまで足を伸ばし、19世紀にエッセンがヨーロッパNo.1工業地帯として栄えていた頃の工場を見ました。ライクスではこんな感じの遠足や旅行が年に4、5回あり、参加は自由です。費用も安く、普段出不精な私には、いろいろ見られるいい機会です。

旅程をかいておきますのでオランダ、ドイツなどへ旅行に行かれる方は参考にしてみて下さい。

1日目
De Hallen (Haarlem, the Netherlands)
現代美術館です。あまり大きくはなくJörg Immendorff, Jonathan Meese, Julika Rudelius のショーをやっていました。

Panorama Mesdag (The Hague, the Netherlands)
遠近法の研究に生涯をかけた19世紀のオランダ人画家、Hendrik Willem Mesdagの作品を集めた美術館。2階にある当館目玉の360度パノラマ風景画はかな〜りたのしめます(注1)。
www.panorama-mesdag.nl

Museum De Pont (Tilburg, the Netherlands)
オランダの中でもかなり良質の現代美術館です。はじめはコレクション制ではなくキュレーション制のみで運営していた美術館です。現在はコレクションももっています。私が行ったときはペインティングのコレクションをたくさん見せていて楽しかったです。若手のショーもよく行っています。
www.depont.nl

2日目
Zollverein (Essen, German) UNESCO monument of 20th century architecture
ドイツのエッセンにある、19世紀の大きな石炭工場。1958年に工場は閉鎖、いまではユネスコ世界遺産となっています。広大な敷地の中にはEmilia and Ilya Kabakovのプロジェクトスペースやデザインミュージアムがありました。面白かった。
www.zollverein.de
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Kurhaus Kleve(Kleve,German)
ドイツの現代美術館、あまり大きくはないですがコレクションがいいそうです。
私が行ったときはLothar Baumgartenのソロショーでした。
http://www.museumkurhaus.de/

3日目
Giethoorn
オランダにある、「北のヴェニス」と呼ばれる小さい村です。昔の農家の建物がたくさん残っています。その建物をそのまま改装してオランダの農家の暮らしぶりを展示する博物館があります。「ファンファーレ」(1958)という映画の舞台になったんだそうです。
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Museum De Paviljoens(Almere, the Netherlands)
アムスから電車で20分ところのほどにある、それほど大きくない現代美術館、オランダの若手ペインターに焦点を当てた大規模なグループショーをやっていて面白かったです。
http://www.depaviljoens.nl/

The Land art projects(the Netherlands)
オランダにあるランドアートプロジェクトをいろいろみました。
Richard Serra, Daniel Liebeskind, Robert Morrisなど。

注1:遠近法は、消失点に向かって立体の形を歪ませることで平面上に立体を表現したり、一定の方向の光による立体の陰影で平面上に立体をかくトリックなので、遠近法による360度の風景画っていうのは技法的にはどえらいこと。
# by arttrace | 2006-02-20 01:03 | ART TRACE | Comments(0)

バレンタインデー

レジデンス1年と1ヶ月と1日目

今日はバレンタインデー。日々の雑事に追われすっかりご無沙汰している行事ですが、今日郵便受けを開けるとバラが1輪はいっていました。お、今年もきたか〜とおもいました。
昨年もバレンタインデーには郵便受けにバラが1輪入っており、それは全員に入っており、しばしの間みんなが「あのバラ誰からだろ〜」とさぐりを入れていたのをおもいだしました。結局、Janwillem(ライクスのディレクター)のしわざ、ということになりましたが(さぐりがアーティスト、スタッフの誰にもヒットしなかった)。Janwillemはおじいさんです。何かサンタクロースみたいよね。

明日からは2泊3日でライクスのオランダ旅行です。
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写真は昨年のオランダ旅行、極寒!死のボート
# by arttrace | 2006-02-15 02:59 | ART TRACE

トリノ五輪

レジデンス1年と1ヶ月目

昨日は先日紹介した小泉明朗君夫妻の住むアパートに夕食に呼ばれました。メニューは餃子。粉にハマっているという夫妻は、改良を重ねた皮から作るという気合いのはいった餃子でもてなしてくれました。皮薄めのものは焼き、厚めのものは水餃子へ。お、おいしかったわ〜。
小泉宅にはTVがあった(うちにはない)ので、トリノ五輪を見させてもらいました。ちょうどその時は男子スピードスケートの1500Mセミファイナルをやっていて、日本の選手にもちろん注目してましたが、韓国の若い選手たちの滑りが印象に残りました。作戦がはまってたせいかもだけど、見てると気持ちよくてつい目が追ってしまうかんじ。
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ドローイング帳より
# by arttrace | 2006-02-14 03:09 | ART TRACE

初猫

レジデンス1年と27日目

プロジェクトルームでの独りショーを終え、その片付けをしようという時にちょっとやりたいことがでてきたので、使用期間を延長してもらってまだプロジェクトルームでいろいろごそごそやっています。
こういうことできるのってほんと贅沢ね。

今日はその廊下から見える中庭にトラ猫が遊びにきてました。初見で家猫とわかる、キレイで上品そうな超〜〜〜かわいい猫。ライクス内で猫と遭遇するのは初めてで興奮しました、鶏ならたくさんいるけど(ふえ続けてる)。ちょっと庭にでて近づこうとしたら逃げの構えだったから近づくのはやめましたが、そのうち慣れて触らせてくれるといいんだけどなー。
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# by arttrace | 2006-02-11 00:58 | ART TRACE

OA16

レジデンス1年と26日目

本日は同期の桜、もうひとりの日本人レジデントアーティスト小泉明朗君の作品を紹介します。彼はビデオアーティストですがペインティングにも興味を持つ、明るく変な好青年です。そして大の中日ファン。魚大好きでしめ鯖を自らしめたり、長年富士山8合目の山小屋でのバイト歴を持つなど引き出し多数、貴重な人材です。小学生の頃はPSよりセガを選んだタイプ(注1)ではないでしょうか。
今日はアムスのギャラリーで彼のオープニングがありました。きょう紹介するビデオ作品「Art of awaking」を出品していました。どこかで見た感じのしない、変で、とっても面白いビデオを作ってくれます。It's the 明朗ワールドです。

16,Meiro Koizumi

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Art of awaking, ビデオスチール

注1:PS(プレイステーション)よりもセガ(SEGA)のゲームを好む、もしくは選んでしまうこと。クセは強いが将来オタクになることはない。
# by arttrace | 2006-02-10 06:10 | ART TRACE

OA15

レジデンス1年と21日目

きょうはメキシコ人ペインターのArmand Marinoです。
私は細部を見ると楽しかったので細部の写真も載せときます。

15, Armand Marino
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上、 全体
中上、部分
中下、部分
下、 部分
# by arttrace | 2006-02-05 02:06 | ART TRACE

ひとりショー

レジデンス1年と14日目

ライクスにはプロジェクトルームという、美術館の展示室ぐらいの広さのある部屋が3つあり、広い空間が必要なプロジェクトなどのために借りることができます。あまり頻繁に借りることはできない特別な部屋で、いってみれば「ハレ」の部屋、皆1年のうちでも「ここは」という時に上手に使いたい部屋なので、今のような時期はどれもがら空きです。
なので、私はいまその部屋を借りて、昨年描いた絵を一挙に並べて眺めています。特にショーというわけではなく、ふだんは自らのスタジオで制作をしつつ、たまに行って一人で眺めているだけなので「(せっかく使ってるのに)もったいない」と言われますが、いいんです。昨年描いた絵をやっと今見ている感じ。
# by arttrace | 2006-01-28 02:16 | ART TRACE

ちょっと休憩

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# by arttrace | 2006-01-26 03:01 | ART TRACE | Comments(0)

OA14

レジデンス1年と11日目

毎日寒い日が続いています。寒波はモスクワだけでなく東ヨーロッパにも来ており、昨日はポーランドでこの寒波が原因の死者が150人でた、というニュースを見ました。一方、南極では日本の観測隊が100万年前の氷の採取に成功したとのことですが、正直、すき好んで氷を見る人の気が知れない、と思ってしまいました。ホームレスの人たちや野良猫なんかはこの寒さ、どう凌いでるんでしょうか。どうにか冬を越せるといいね。
きょうの0Aは、まぶだちのダッチガール、昨年ルームメイトだったWenda Kieskampちゃん、ペインターです。彼女の名字のKieskampは、「山の中腹で木を切る人」という意味なんだそうです。自然を愛する優しく真面目な子で、でも昔突然ペインティングをすると決めて腕に決意の入れ墨を入れるとか、嵐の中を散歩するのが好きとかいう激しい面も持った、いい子です。

14,Wenda Kieskamp



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写真まっすぐじゃなくてごめんなさい。
# by arttrace | 2006-01-25 02:37 | ART TRACE

OA13

レジデンス1年と6日目

今日は昨日紹介したNardaのプレゼンテーションです。彼女は緑色の部屋とピンク色の部屋の2部屋をつかってプレゼンテーションしました。壁には双方の部屋をつなぐ穴があけられています。

13, Narda Alvarado
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上、展示風景
中、部分、Nardaのドローイングがプリントされたプラスティック板。緑色の部屋にはドローイング(バッドアイデアバージョン)、ピンク色の部屋にはドローイング(グッドアイデアバージョン)を展示しています。
下、ビデオワーク、Tシャツを脱いでいくとプリントされたアイスクリームが溶けていく。1minループ
# by arttrace | 2006-01-19 23:37 | ART TRACE

OA12

レジデンス1年と5日目

毎日せっせと昨年のOA紹介に励んでいます。一方、明日から今年のプレゼンが始まります。毎年、年初めには自己紹介代わりに自分の制作のプレゼンをすることになっています。
お互いの仕事内容を知り、スタッフやレジデント同士のコミュニケーションをとりやすくするためらしいです。私の出番は来週。昨年はスライドを足早に見せ、タイトルと、「これは大きいです」「これは小さいです」とコメントするに留まりましたが今年はどうしようかなあ。

きょうのOA紹介はプロジェクトルームで行われたNardaとArmenのコラボレーション。
Armenの油彩作品と、Nardaのドローイングの組み合わせです。

12, Projectroom East(Armen Eloyan with Narda Alvarado)

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上、中、 Armenの油彩展示風景
下、 その風景をもとにNardaが壁に直接描いたドローイング
# by arttrace | 2006-01-19 04:43 | ART TRACE

OA11

レジデンス1年と4日目

きょうは新しいレジデント達を交えてドリンクがありました。昨年インタビュー時に記憶に残っていた数人と再会、「おお!あなたのこと覚えてるわ!」となったりして楽しかったです。
きょうのOA紹介はアルゼンチンからのアーティスト、Amaria Picaちゃん。彼女とはたまにしか遊びませんでしたが強く印象に残っているアーティストの1人です。この人はアイデアがシャープで、うう〜ん、オヌシできる!ってかんじ。

11,Amaria Pica
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↑たくさんの、船を見送る場面(白いハンカチを持って手を振るゼスチャー)を集めてカット&ミックスしたスーパー8。ちょっと面白いゼスチャーが、スーパー8のノスタルジックな画面を通じてだんだん抽象的にみえてくる。

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↑小さい穴の組み合わせでアルファベットを伝達した初期のテレグラム(電報)と、短いテキスト。「これは’ノスタルジー’と書かれた、アイスランドで初めて試験的に打たれた電報です・・・(以下略)」とかかれています。写真のようなイメージを使わず、記号らしき視覚的差異とテキストだけでイメージをつくる、最小限の「フィクションの素」を見せているというか。テキストの内容も、意外な実話とも面白い作り話ともとれます。

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↑屋外では自転車王国オランダにちなんだプロジェクト。ライクスの駐輪場にあるたくさんの自転車にバイクランプを点滅させてクリスマスのようなイルミネーションをつくっている。
# by arttrace | 2006-01-18 03:35 | ART TRACE | Comments(0)

OA10

レジデンス1年と3日目

きょうのOA紹介、彼女も以前日記で紹介したことのある韓国からのアーティスト、Jewyo Rhiiちゃんです。彼女は、彼女のプロジェクトに基づいて制作されたビデオワークやオブジェに加え、プロジェクトのアイデアを走り書きしたドローイングや短いテキストをつかいプレゼンテーションしています。

10, Jewyo Rhii
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「Lie on the Han River」ビデオプロジェクション、10min

彼女のビデオやオブジェを見ていると、なにかの構造(構築)を避けるためにプロジェクトがあり、そこで発生するストーリーに沿って何か被膜になるものをかぶせて可視化させているかんじ、切ない感じがします。だから彼女はエンターテイナーでもあります。

彼女も昔はペインティングをしていたそうです。「今ペインティングを作るのは難しいよ、トモコ」といっていました。
# by arttrace | 2006-01-16 21:53 | ART TRACE

OA09

レジデンス1年と2日目

OA紹介第9弾、きょうは以前にも日記で紹介したことのある、Andre Pielegeくんです。彼は北九州CCAでレジデント経験があり大の日本ファン、優しい1児のパパです。
この冬日本に帰るとき、「温泉の素買ってきて、白いやつ」って頼まれてたのに買うの忘れちゃったよ、ごめんねAndre。

09,Andre Pielege
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この部屋いっぱいの大きな構造物を構成する、1つ1つのパーツは、オランダでは普通に見かける玄関マットのパターンです。ゴム製。
# by arttrace | 2006-01-16 02:28 | ART TRACE | Comments(0)

OA08

レジデンス1年と1日目

日本での正月休み(勝手にとりました)を終え、アムスに戻ってきました。日本も寒かったけどこっちも寒いね。周りでは新しいレジデントたちが今年の準備やもう制作を始めている者もいて新鮮な雰囲気です。活きがいいです。私は新しいスタジオで、昨年やり残した仕事を片付けたりしてまだうすぼんやりしています。でもいろんな人に「顔色よくなったねえ〜」と言われます。正月ボケ?
休み中にやる予定だったOA紹介は、まだ7人しか終えてないまま今年度が始まろうとしています。 まずいペースだね。

きょうはNaro Snackeyちゃん。スナッキーちゃん、外国のお菓子みたいな名前だね。
彼女もともとペインティングをしていましたが、彼女が感じている「像の結べなさ」「焦点の合わなさ」をどうにか視覚的に獲得してやろうと2年間果敢に取り組み、とうとうこんな作品を作りました。すごいわ。

08, Naro Snackey
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上2点はけっこうでかいです。鳥のやつが高さ3mくらい、子供の顔のやつが高さ2m30くらい。
# by arttrace | 2006-01-15 05:34 | ART TRACE

OA07

レジデンス11ヶ月と21日目

今は奈良に遊びに来ています。奈良は山に囲まれているのでどこからでも山が見えます。万葉集などで詠まれている歌は、たいてい山か恋愛のことが詠まれています。山と恋愛、この2大テーマは歌に詠まれるもの、つまりは人生の風景になリ得るものってことかしら、などと考えます。
恋愛はもちろん、地面から山を眺めることは、「人間」が「ものを見る」ことの大事なモデルの1つだったのかもしれません。
オランダには山がありません。オランダの風景画に山は登場しませんが、その代わりに雲がたくさんかかれます。いろいろ無理やり結論づけるのはやめますが、以前紹介したYasmijnのタバコの煙と砂糖の山を風景のモデルにした作品と、中国からのアーティスト、Shuoのつくった映像インスタレーション作品のことを思い出します。今日はそのShuoの作品を紹介します。

07, Shuo Liang

タイトル「妻への恋文」と「愛人への恋文」(ビデオ作品)を併置してプロジェクションしている。それぞれへの手紙を、重たい機械の先に筆をつけて書くというハンディをつけ、壁に向かって書いています。機械が重たいので書いているときのあえぎ声がすごいです。
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その床面には、山を鳥瞰で見たようなかたちがインスタレーションされています。Shuoは、主に彫刻作品をつくっていた作家ですが、最近は 「(立体を作ると)ランドスケープを作りたくないのに、いつもそうなってしまう」と言っていたのが興味深かったです。
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別室では映像の元になった実物を展示していました。
# by arttrace | 2006-01-05 01:20 | ART TRACE

OA06

レジデンス11ヶ月と8日目

ほんじつのOA紹介は、アフリカはジンバブエからのペインター、Patrickです。私は彼の作品が大好きで、Patrickも私の作品が大好きなので、OA後に作品を何点か交換しました。
彼はいつも、自分と同じアフリカ人、黒人の姿を描きます。サイズもそんなに大きくありません(だいたいが15~20号くらい)。派手なアクションではなく、数人の男性が路上でたむろしているところや、路上でタクシーに寄りかかって親密そうに話す男女の姿や、男性が壁のペンキ塗りをしているところや、ベッドにただ横たわる姿など。彼の視線が捉えたそれらのシーンと彼の絵の具が、何かを主張するわけでもなく、「ある一定の距離感」を見せてくれます。その「距離感」は、離れていることというよりは近さを、開いているというよりは閉じたところを指していて、つまり絵の具で作られることによる親密性と、平面であることによる近寄れなさが両立しているので、平面に絵の具がおいてあることが心地よく見えます。黒人労働者の「路上における室内性」(または室内における路上性)とでもいうべきモチーフと、平面に絵の具というマテリアルがとてもよく合っているのです。彼の作品をみていると、ペインティングの1つの幸せな状態を見ているようで気分がいいです。
夜になると自転車に乗ってスタジオにやってきて、ビールと煙草を片手にペインティングを仕上げていく彼の姿が、来年は見られないのでさみしいです。

06,Patrick Makumbe

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写真は上3枚がペインティング、4枚目は別室で見せていたドローイング。
# by arttrace | 2005-12-21 09:33 | ART TRACE | Comments(0)

OA05

レジデンス11ヶ月と2日目

ライクス紹介強化月間、OA編、No.5はドイツ人アーティスト、Tine Melzerちゃんです。彼女の仕事は
ドローイングと本/アルファベットと本/アルファベットとWords/の3本を柱に、主に本の制作、ポスターの制作、コラボレーションで作詞を手がけるなど、いろいろやっています。おもしろいです(ライクスではプリントワークショップで製本技術を学ぶこともできます)。本とアルファベットとWords、それぞれのフォーマット、またはその組み合わせを分解し、もう一度組み合わせることで(意味を持たせるために組み合わせるのではなく、組み合わせと意味の間にある隙間を見せるためにやっている)、言葉の意味や内容を中抜きにし、その構造そのものの存在を見せていくような仕事をしています。
05,Tine Melzer
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「They say」というタイトルの本。「she says」と「he says」の文字で構成されている。
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「The complete dictionary」アルファベット26文字を、26の26乗で組み合わせて作った辞書。
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本の展示の隣の部屋では「When in doubt・・・(不確かなときは)」に続く動作の単語をスライドプロジェクション。ほんとは画面は一つ(写真は紹介用に作った画面)でページをめくるように1秒づつ位で画面が変わる。

そもそもはじめは、大きなB全ぐらいの紙に緑色のマジックペンで4,5cmくらいの線を描いて埋めていく、というドローイングをつくった後、それが気に入らなかったのでその紙を小さく切って本にしたらなんだか気に入った、というのが本の制作を始めたきっかけだそうです。
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# by arttrace | 2005-12-20 10:59 | ART TRACE | Comments(0)

OA04

レジデンス10ヶ月と21日目

きょうのOA紹介は、ライクスNo,1セクシ−&ビューティー、Yasmijnです。このお姉ちゃんはまじきれいですよ。作品も面白くて。わざと「女性らしい作品」にして見せてる確信犯、やるねえ〜。Yasmijnとはイスタンブールで一緒にタクシーに乗ったとき、
yasmijn「あたし怠け者だからタクシー乗るのが好きなの」
私「あたしもタクシー乗るのほんとは好き(ビンボーしててあんまり乗ってないけど)」
とはじまり、ほんとは怠けるの大好きよねっていう 連帯感を深めた思い出があります。

04,Yasmijn Karhof
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 'sugar' これは写真(ライトボックス)バージョン。ビデオ作品バージョンでは背景に、山に雲と霧がかかって曇っている風景写真が飾ってあって、その前で同じく砂糖の山に煙草の煙を吹きかけ、ねっとりズームインしていき、背景とクロスオーバーしていくようになっている。
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'rain' ビデオ作品。女性が雨にぬれてタクシーに乗りこむ、彼女の髪から滴る雫や、窓についた雫に目をやる女性の視線に沿ってカメラがズームインし、室内の絡まるような視線をつくる。女性はタクシーから降り、窓の雫に彼女の顔が映る、こんどは彼女が窓に近づいて雫にズームインしていくのをカメラが内側からただ見る。ものすごい緊張感で彼女の顔が大きくなっていく(写真)。そこでふいに彼女が去って雫は空っぽになる。
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ビデオ作品。Hericopter straat(右上の青い看板は通りの名前が書いてある)で「 LIVE」の文字をジャグリングする男性、1分もしないで落として文字を壊してしまう。
# by arttrace | 2005-12-06 01:03 | ART TRACE | Comments(5)

さつえい

レジデンス10ヶ月と18日目

OA紹介はちょっと休憩。
今日は写真撮影しました。ライクスでは年に2回まで、作品ドキュメントのための写真撮影を頼めます。
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撮ってる作品はドローイング。靴に矢が刺さってるとこ。画面穴をあけたのではなく、矢が2つに切ってあるので、実際に矢は写真のようになりません、のでイメージは好きだけど展示は不可、という作品(今は矢をテグスで吊ってある)。
# by arttrace | 2005-12-02 23:47 | ART TRACE | Comments(0)

OA03

レジデンス10ヶ月と17日目

来年のスタジオが決まり、スタジオの引っ越しがぼちぼち始まりました。住居もスタジオも、2年目になると自分で選べます。私は住居はそのまま、スタジオはManegeという、ちょっと離れみたいになった、れんが造りの古い駅舎のような建物の中のスタジオを選びました。もっと広くて採光のいいスタジオは他にもあったけど、どれも柱や梁がここはダメだろってとこに入ってたり、天井が変だったり、壁面であってほしいところが窓だったりでどうも使いづらそうで。普通の気に入ったスタジオに入れてよかったです。
きょうのOA紹介は、まぶだちのオランダ人フォトグラファー、Peggy(超!キュートな女の子)です。

03,Peggy Franck
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彼女は、ペインティングについて考えることが写真を撮る大きなモチベーションなんだそう。
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この1年、私をモデルに何点か制作しました。そのうちの1点。
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真ん中は写真の貼ってあるスカルプチャー。三角錐ではなく、折れた面が内側に入り込んで形を閉じないでいるので、もと平面だったことと、それを切ったり折ったりするプロセスを見せてる感じ。

彼女のモデルをしたり、そのアイデアを一緒に出したり足りないところを考えたり、撮影後の彼女のトリミングやサイズ決めなどの処理をみて、つまりフォトグラファーの写真作りのプロセスを見ることができて面白かったです。
# by arttrace | 2005-12-02 01:28 | ART TRACE | Comments(0)

OA02

レジデンス10ヶ月と16日目

アムスは急に寒くなったよ。今日は自転車こいでたら大雨に降られびしょぬれになり、寒さ倍増でした。今年のOA来場者は8000人だったそうな。5日間だけなのにすごいわね。OA後、ほんとによく寝ていて、ここんとこ1日15時間ぐらい寝ています。きょうはNYからの心優しい狂った男、Brodyです。

02,Brody condon
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木の枝とプラスティックの留め具でつくられた、車のボディ、の枠。
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新興宗教(new religion)の教祖をモデルに作られたCGキャラクターが、複数の上半身と下半身を絡ませ火を噴きながら、ただ宙を舞っているCG。
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new religionの資料とかググ検とか
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車の素材になった木の枝、の試作品
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こんなかんじで展示してる
# by arttrace | 2005-11-30 01:45 | ART TRACE | Comments(0)

OA01

レジデンス10ヶ月と15日目

オープンスタジオ(ほんとはオープンアトリエーズという)おわりました。今年のプログラムはすべて終了です。来年1月からまた2年目のプログラムが始まります。今年1年は、なんだか今までの自分とつなげて考えるのに時間がいりそう、な怒濤の1年でした。
OA( open ateliers)紹介第一弾。いちおう、休み使って全員紹介する気でいます。どれも面白かったし、写真もとったし。
まずは自分のからよ〜。


01,Tomoko Kawachi
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東側壁面。プロセスを壊しながらかいたペインティング。
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反対(西)側の壁面。これは、1つの画像が段階を経て1枚のペインティングとして完成しなくなる、この作品ではそのことが大事だ、とおもって状況すべてを1つの作品とした、何かのモデルとしての、ペインティング。
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南側壁面、ドローイングその1、「はさみの写真がビニール袋に入る」
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南側壁面、ドローイングその2、「ふで」
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南壁面窓、ドローイングその3「ねじ」
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北側床面「(絵としての)本」

「ペインティングにかんする」展示。
# by arttrace | 2005-11-29 07:41 | ART TRACE

オープンスタジオ1

レジデンス10ヶ月と10日目

オープンスタジオ始まりました。
私はまだ全部を見きれていませんが、あと3日あるのでゆっくり楽しみます。
どの展示も、とても見応えあっていいです。アドヴァイザーの1人、ペインターのLisa Mirloyは「こんなに良い年は滅多にない」と喜んでいました。新聞各紙評もすごくポジティブです。
私の展示はと言うと、今までの大きいペインティングのプロセスを壊しながら、それでもペインティングとして残る何かを見たい、というようなかんじで進めた制作だったので、とても不安でしたが、仕上がった展示を見た人には、「彼女は部屋のすべてを使ってペインティングの中に入ろうと試みたんだ」と言ってもらえました。怖かったけどやってよかったわ。
まあ言葉だけではよくわからないと思うので、他のアーティストの展示も紹介しながら追って写真をアップしていきます。
では。
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# by arttrace | 2005-11-25 04:27 | ART TRACE